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湯葉豆腐について

最近ゆば屋さんで湯葉豆腐と云う商品をよく見かけるようになりました。
「湯葉で豆腐が出来るの?」とお思いでしょう。

湯葉豆腐と云うのは湯葉汁「湯葉用の豆乳を使って造った豆腐」と云う意味です。
湯葉用の豆乳は豆腐屋の豆乳に比べて非常に淡くとても絹豆腐にはなりません。そこで豆乳に澱粉を入れて固めたものなのです。
そうです澱粉豆腐と云ってもよいかも知れません。ですが豆腐屋の豆腐に比べて良い所は、どのような味付も可能な事です。

今、湯葉豆腐、葛豆腐、吉野豆腐等色々な名前で湯葉屋や豆腐屋から売り出されています。初めて湯葉豆腐の商品の名を見たのは麸屋さんの玉置半兵衛さんが飲食店麸料理屋さんを開店された時です。詳細はとようけ屋のホームページ京都のお豆腐屋さんの半兵衛麸の所を見て下さい。

平成9年1997年とようけ屋は湯葉工房七彩庵を持ち、自社の生湯葉の製造を始めました。それまで乾燥湯葉がほとんどで生湯葉はわずかに玄人さん向きの営業用湯葉として流通しているだけでした。それで私は、乾燥湯葉とは比べものにならない美味しい生湯葉を、一般の人に豆腐一丁二丁と買っていたゞくように、ほとんど豆腐と同じ位の値段に小さな単位で販売しはじめました。が、お客様の反応は「生湯葉?どうして食べるの?」とにぶいものでした。
どうして生湯葉をお客様に認知してもらえるのか、と考え平成11年1月とようけ茶屋のメニューに生湯葉丼をのせました。

好評でした。TVでも放送され、これを契機に生湯葉が家庭の食材として、認められるようになりました。

それまで湯葉屋さんは生湯葉を個人消費者に売る意思がなくほとんどの湯葉屋さんの店頭に商品として生湯葉が並んでいませんでしたが、生ゆば丼以後汲上げゆば、つまみゆば、引上げゆば、刺身湯葉等の形で商品として並ぶようになりました。でも湯葉屋さんは豆腐屋以上に売る商品の品数が少ないためか、湯葉豆腐(澱粉豆腐)が店頭に並ぶようになった次第です。

今どこの生湯葉屋さんも湯葉豆腐を製造されているようです。
私の所ですが残念ながら豆腐に追われて湯葉豆腐は製造していません。

今やどの料理屋さんも必ずと云ってよい位、生ゆばのメニューがあり、生ゆばブームと云えるかもしれませんが、一度生ゆばを食べた人は乾そうゆばは食べにくいと思います。
今まで湯葉屋さんは干し湯葉だけで充分生活できたのに生湯葉しか売れなくなり悪いことをしたなあとも思いますが、いずれは誰かがする事なので「お許しを」願えればと思っています。